風俗営業 デリヘル開業

2009.9.10 Thursday

百円ショップ、それとも百貨店？

　先日、デリヘルの届出を依頼した場合の報酬について問合せがあり、お答えしたところ、「安いですね」とリアクションが返ってきました。思わず「えっ？」と僕。というのも、僕のところはけっして安くはないからです。


　今や行政書士業務の報酬は値崩れを起こしています。例えば会社設立。かっては百貨店価格だったものの、最近は百円ショップなみの価格で請け負っているところもあります。デリヘル届出も同様、価格破壊が及んでいます。


　なぜ、価格破壊が生じているのか。簡単です、仕事が欲しいからです。大量受注により低報酬を可能としている一部の事務所を除き、低報酬の事務所の大半は開業まもない、いわば普段「仕事のない」事務所です。ある程度の量の仕事をこなしている事務所は、けっして必要以上に安い報酬では請け負っていません。当然です、「報酬は安くてもいいから実務を勉強したい」とは思っていないからです。


　では、実際の仕事ぶりはどうでしょう。僕の考えは、「届出を出すだけなら誰でもできる。けど、実際の経営についてや、開業後のアドバイスについては、いかに業界に精通しているかで差が出る」といったものです。


　先日、ある開業予定者（経営者）に、少々出過ぎたアドバイスをさせて頂きました。本来ならば踏み込むべきところではない部分に関して、僕の意見を述べさせてもらった次第です。
「すみません、ここまでお話しするのはちょっと出過ぎているんですけど」
　と僕。しかし経営者は、
「いや、そこまで言ってもらえて助かります。まわりでそこまで言ってくれる人はいませんから」
　こう話してくれました。話の中身は、僕の経験を通じてのアドバイスです。もしかしたら、経営者はお世辞で先の言葉を返してくれたのかもしれませんが、僕は彼の言葉をそのまま信じています。実際、業界に精通していない同業者では、気がつくことのない話であり、開業する以上、やはり成功してもらいたいと思うからです。


　いや、そんな話はいらない。とにかく届出だけを安く済ませたい。そう思われている開業予定者は、僕に依頼することをお勧めはしません。百円ショップで買い物をされる場合、「所詮百円ショップ」だと思って買われているはずです。では、安いところとけっして安くはないところ、どちらがいいのか、その判断はお任せします。一度百円ショップで購入しても、結局は使い物にならず、後でちゃんとしたものを買い直した経験は誰もがあることでしょう。一方で、百円ショップの達人がいるのも事実です。ひとつ確実に言えることは、「この人にならお金を払ってもいい」と思えるところを選ぶべきです。安かろうが高かろうが、納得がいけばそれでいいのではないかと思います。