デリはけっして軽くない
こんなこと書くべきことではないとわかっていながら、書きたい衝動を抑えきれず、なぐり書きをするままに。
デリヘルの届出手続を得意げに話す同業者を見て、不快に思った。まず、彼には理念がない。独身の彼は風俗遊びが好きらしい。その延長で業務としてデリヘルの届出を扱っている。
僕の理念は、口癖のひとつでもある「世界は表もあれば裏もある」。世の中、ハローワークで紹介されている仕事には就けない人もいる。男も女も含めて、デリで働かざるをえない理由がある人は、デリで働けばいい。ただし、働く理由のない人、働く理由のなくなった人は、デリで働くべきではない。
僕は行政書士を始める以前から関西圏内の風俗店の経営者や店長と付き合ってきた。以下、少々余談。
「店に顔を出すと、いつも『これ、お車代です』と、お金をもらっていた。夏冬にはお中元とお歳暮が届いた。ある店はカルピスセット、ある店は高級缶ジュースの詰め合わせ、またある店は、ビール券を束で…」
こう話すと、「用心棒でもやてたんですか」と聞かれる。もちろん、けっしてそんなわけはなく、そもそも僕は背が高いわけでもなく、むしろケンカには弱そうな少々メタボでひ弱な中年男性。
そして、仕事で店に入るときは、入口がひとつしかない店はともかく、お客さん用の入口とは別の裏口から入っていた。
つまり、店の裏側も多少垣間見てきた。だから僕のサポートは届出を出したところで終了するわけではない。届出後も各種手続を要する。そもそも、開業後気をつけないといけないのは、風営法や売春防止法だけではない。他にも遵守しなければならない法律がある。また、今月からは、社会保険労務士としての立場からもサポートする(21年9月から)。
加えて何よりも、「僕が関った店は絶対に潰させない(経済的な意味で)」といった気概を持って業務に取り組んでいる。ゆえに軽々しくデリヘル業務を扱っていると吹聴しているヤツは腹が立つ。「デリってそんなもんじゃないだろう」と思ってしまう。客の立場しか知らないヤツに限って、「そんなもん」にしか映らない。デリはけっして軽くない。
(2009.9.7)